書類が増えると保管場所の確保や、保管方法に悩まされます。ペーパーレス化ができれば保管場所の確保が不要になり、書類を探すのも早くなります。その為、OCRの導入が選択肢にあげられます。
しかし「手書きの書類でもOCRは正確に読み取れるのか？」と、感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか？
そこで、本記事では手書き文字を高い精度で読み取ることができる「AI-OCR」について、ご紹介します。
AI-OCRとは
AI-OCRとは、OCR（光学文字認識）とAI（人工知能）を融合させた技術です。OCRにAI技術を組み合わせることで、読み取り精度の向上や自由フォーマットの読み取りなどが可能です。
具体的には送付状やFAXの手書き注文など、非定型文書の認識の精度が高いです。その為、今まで手で入力していたデータ入力作業の大きな効率化が見込まれます。
OCRとAI-OCRの違い
OCRとAI-OCRの違いは「機械学習による読み取り精度の向上」「自由フォーマットの読み取り」です。従来のOCRは、手書き文字や自由フォーマットの読み取りが困難なことが課題になっていました。しかしAI-OCRはAI技術を組み合わせ、従来のOCRの課題とされていた手書き文字や自由フォーマットの読み取りを可能にしました。
従来のOCRの課題
従来のOCRは印刷された文字をスキャナやカメラなどで読み取り・抽出し、コンピュータが利用できるデジタル文字コードに変換します。PCやワープロで書かれた形の整った文字や、決まったフォーマットなどを認識できるのですが、手書きの文字について、時折間違った認識をする場合があります。
例えば手書きで記入された「鈴木」という2文字ですが、従来のOCRでは「金令木」の3文字で認識されることがあります。
また、新たなフォーマットに記載された文字を読み取る場合、事前にどこを読み取るかなどの詳細な定義をする必要があります。請求書や注文書、納品書など異なるフォーマットを読み取るには、それぞれ事前に詳細な定義を設定します。フォーマットが企業ごとに違うこともあり、OCRでは時間と労力が費やされます。
AI-OCRを使う3つのメリット
AI-OCRを使う3つのメリットは「読み取り精度が高い」「自由フォーマットの読み取りが可能」「手入力や目視の確認作業の削減」です。
1.読み取り精度が高い
AI-OCRは機械学習にて、読み取りデータを学習します。文字を一度読み間違えたとしても、AIが学習することで読み取り精度が高くなります。より多く学習することで、さらに精度が高くなるでしょう。
手書き文字は人によって特長があり、同じ「あ」でも書き手によって形が異なります。中には認識しづらい筆跡もあるでしょう。その為、さまざまな形の文字に対応する必要がありますが、膨大な筆跡パターンからAIが特長を見出し、手書き文字でも高精度で読み取ります。
2.自由フォーマットの読み取りが可能
AI-OCRは自由フォーマットに書かれた文字の読み取りが可能です。自由フォーマットの読み取りが可能なのは、AIが読み取り位置や項目を抽出することができるからです。
さまざまなフォーマットに対応可能なため、社内だけでなく社外の書類の読み取りにも適しています。
取引先とのやり取りにおいて、どうしても手書きになったり書類にメモ書きすることが考えられます。手書き書類の中には、会社にとって大切な情報資産となる内容もあるでしょう。紙のまま保存していると書類を紛失するリスクがあったり、一部の人しか情報が共有されない可能性が考えられます。
しかしAI-OCRによって、手書きの書類やメモ書きされたノウハウなどを電子化できれば、データの共有とデータ化による保存ができます。また、必要なデータを探す手間も省けるでしょう。
3.手入力や目視の確認作業の削減
AI-OCRによってペーパーレス化が推進されると、手入力や目視の確認作業が削減されます。AI-OCRの読み取り精度は高いですが、全ての文字を100％読み取りできるわけではありません。100％の読み取りが難しいため、手入力や目視の確認作業は必要です。
しかし、自動化によって確認作業が大幅に削減できるため、手入力や目視にかける時間は必要最低限になるでしょう。
手書き文字にはAI-OCR
ペーパーレス化の課題の1つに「電子化の手間」があげられます。新規で発行する書類は、最初から電子データで作成できますが、既存の紙で作成された請求書や領収書などの書類は、その情報を読み取り電子化する必要があります。
電子化する紙書類がPCやワープロで作成されたものであれば、従来のOCRで読み取りが可能でしょう。ですが、手書きの請求書や領収書、複写式の控えなどは従来のOCRで読み取ることが困難です。しかし、AI-OCRは手書き文字も高い精度で読み取ることが可能なため、ペーパーレス化を推進することができます。
AI-OCRとRPAを組みあわせて更なる業務効率化へ
AI-OCRはRPAと組み合わせることで、更なる業務効率化が期待できます。
RPAは「人間の代わりにロボットが業務をこなしてくれる自動化技術」のことです。AI OCRとRPAを組みあわせることで、AI-OCRが手書き文字のデータを抽出し、RPAによってそのデータを例えば会計システムへの入力や、基幹システムへの入力、または出力・MicroSoftExcelと自動的に連携し、集計・加工といった作業を行え、これまで人が担っていた作業の大半が自動化されます。
AI-OCRを検討する場合、ぜひSynchRoid、BizRobo!と言うRPA製品との併用をご検討ください。
まとめ
AI-OCRであれば、手書き文字も高い精度で読み取ることが可能です。AIが学習し、書き手によって異なる形の手書き文字でも、高精度に読み取りできます。また、さまざまなフォーマットに対応可能なため、取引先によって違う請求書や領収書の様式、社外の書類などをデータにすることができ、ペーパーレス化による書類の保管スペース削減、データの検索精度向上に繋がります。
AI-OCRと組みあわせて、業務効率化の効果をさらに発揮するのがRPAです。
RPAにて、AI-OCRで読み取り確認が終わったデータを各システムに連携することで、システムへの入力作業の手間も減らすことができます。
書類の管理は大量になればなるほど煩雑になりやすく、人的ミスも起こりやすくなります。自動化できるところは自動化し、情報資産のスマートな管理を目指しましょう。
このメディアでは、AI-OCRやRPAに関する各種ソリューション情報を提供しています。
企業の生産性・利益向上にどのくらい寄与するものか？ぜひご覧になってみてください。
