社内におけるペーパーレス化を進めるには、OCRを活用するという方法があります。
では、OCRとは何なのか?
OCRを使うとどんなことができるのか?
OCRで本当にペーパーレス化ができるのか?
本記事では、OCRでできることや、どのようにペーパーレス化が進んでいくかなど
を含めたOCRの手順についてお伝えします。
ペーパーレス化のツールとなるOCRについての理解を深め、業務効率化のためOC
Rを活用しましょう。
OCRとは
OCRは「Optical Character Recognition」の頭文字を取ったもので、「オー・シー・アール」と読み、直訳すると「光学文字認識」のことを言います。
Optical(オプティカル)・・・光学的な
Character(キャラクター)・・・文字
Recognition (レゴグニション)・・・認識
OCRの技術は、手書きや印刷された文字を、カメラやスキャナといった光学的な手段によって読み込み、文字認識して解読することによって、コンピュータが利用できるデジタルの文字データに変換します。
今まで紙で保存していた書類をデータ化し、保存することができるため、ペーパーレス化を推進していくことができるようになります。
OCRでできること
OCRでどんなことができるのか?
また、どのような効果があるのか?
まだイメージがつきにくいかもしれません。
ここでは会社で使用する消耗品を購入したレシートを例に挙げて、OCRでできることを4つお伝えします。
帳票や文書をデータで一元管理
OCRを活用すると「帳票や文書をデータで一元管理」することができます。
今まで帳票や文章を担当者がそれぞれ個別管理していたり、共有のスペースにファイリング等していました。
OCRを活用し、帳票や文書をデータで取り込むことで、ひとまとめに統合して管理することができ、ファイリングミスもなくなります。
【例】レシートをスキャンしてデータとして一元管理
データ入力の手間を削減
OCRを活用すると「データ入力の手間を削除」することができます。
今までは、紙データを見ながら、そこに書かれている内容を表計算ソフトなどに入力するなどという作業を行っていましたが、手入力の場合、入力時間がかかり、入力ミスが起こることもしばしば問題となっていました。
OCRでスキャンをすると、書類の文字列をブラインドタッチなしでデータに変換できます。よって、その後、他のシステムへの入力作業の手間も大幅に削減できます。
また、データの正確性をチェックする時間も全て手作業の時に比べて少なくすることができます。
データの入力作業を自動化するRPAと連携すれば、データ入力の一連の作業を省力化することができます。
【例】スキャンしたレシートを会計システムの仕訳データとして変換
書類の保管スペースの削減
OCRを活用すると「書類の保管スペースの削減」につながります。
今までは書類をファイルや箱などに保存していたため、社内に一定のスペースが必要でした。書類によっては法律により、5年、8年、10年と保存義務があるため社内だけではなく、社外に貸スペースを借りて保存しているケースもありました。
OCRを活用して適切な文書として保存すれば社内外の保管スペースは不要となります。
【例】大量の請求書や領収書をデータで保管
検索性の向上
OCRを活用すると「検索性が向上」します。
書類をインデックスしてファイル保存し、社内外のスペースで保管している企業はかなり減少傾向ですが、まだまだ存在しています。書類をファイル保存している企業は、たとえインデックスやラベルをつけていても過去の書類を社内外のスペースに行って探すという手間がかかっていました。
OCRを活用すれば、キーワードやファイル名で検索するだけで求めている書類のデータを確認することができます。
【例】数年前に購入した機械の請求書を見たいと言う時にデータですぐ見ることが可能
AIとOCRの組み合わせで飛躍的に向上
先述の通り、OCRは「 OpticalCharacterRecognition」の頭文字を取ったもので、「オー・シー・アール」と読み、直訳すると「光学文字認識」のことを言います。
OCRの技術は、手書きや印刷された文字を、カメラやスキャナといった光学的な手段によって読み込み、文字認識して解読することによって、コンピュータが利用できるデジタルの文字データに変換します。
しかしながら OCRには欠点があります。
それは日本語をデータ化するのは難しいということです。
それは日本語で書かれた文字をデータ化するのは難しいということです。
日本語には、ひらがな・カタカナ・漢字が使われており 、例えば「一朝一夕」という言葉をOCRでデータ化するとき、漢字の「一」を伸ばす記号の「ー」と捉えたり、漢字の「夕」をカタカナの「タ」と捉えたりと文字認識を誤ることがあります。
そこでAIとOCRを組み合わせた「AI-OCR」が注目されるようになりました。
AI-OCRは、AI(人工知能)技術を取り入れたツールで「一朝一夕」という文字の「一」は伸ばす記号の「ー」ではなく漢字の「一」であり、「夕」はカタカナの「タ」ではなく漢字の「夕」であることを教えて学習させることで、以降読み込むときは、正しい文字認識で読み込むことができるようになるのです。
OCR・・・手書きや印刷された文字を、カメラやスキャナといった光学的な手段によって読み込み、文字認識して解読することによって、コンピュータが利用できるデジタルの文字データに変換すること
AI-OCR・・・AI(人工知能)技術を取り入れたツールで、正しく認識しづらい文字に対して、クセのある筆跡パターンをいくつか読み込ませたり、前後の文字から漢字であると学習させたりすることにより、次に読み込むときは、正しい文字認識で読み込むことができるようにすること
今後、AIとOCRの組み合わせることで、文字認識率の向上だけでなく、取引先ごとに異なった請求書や納品書などの帳票をAIが読み取り位置や文字自動抽出できるようになったり、業務システム連動に必要な項目と一致させることで業務効率を大幅に削減するよう、どんどん進化を遂げていきます。
OCRでデータ化する手順
ここでは、OCRによって手書きや印刷された文字がどのような作業を経てデータ化されるのかという手順をご紹介いたします。
【OCRでデータ化する手順】
- 取り込みたい画像をスキャンする
- 取り込んだ画像データを確認
- 画像データから文字列を指定
- 切り出した文字列をデータ化する
- 変換したデータを最終チェック
それでは、一つ一つみていきましょう。
1.取り込みたい画像をスキャンする
OCRでデータ化する手順1は、「取り込みたい画像をスキャンする」ことです。
契約書やレシート、請求書などの紙の書類をスキャナーやスマホ、OCRリーダーなどの機器でスキャンします。
機器によっては数枚や両面を1セットとして認識し保存できたり、裏写り防止機能で書類が薄い場合の対応ができたりと認識の精度が違うため、スキャンする機器選びも注意しましょう。
2.取り込んだ画像データを確認
OCRでデータ化する手順2は、「取り込んだ画像データを確認」することです。
せっかくスキャンした画像が斜めだったー!とか、文字がかすれて見えないー!では困りますよね。
OCRの文字認識を行う前に、スキャンした画像データが適切かどうかを確認できるため、再スキャンしたり、加工や補正を行うことが可能です。
3.画像データから文字列を指定
OCRでデータ化する手順3は、「画像データから文字列を指定」することです。
スキャンして読み取った画像データのどこに文字列があるかを指定し、その文字列を1文字ごとに分解したり、項目単位で切り出したりします。
定型書類であれば、テンプレートを活用するとスムーズに文字列を指定できますし、取引先ごとに形式が違う請求書や納品書の場合でも、画像内の文字列を取引先ごとに指定できるため、その都度作っておけば、その後はスムーズに文字列を指定することができるでしょう。
4.切り出した文字列をデータ化する
OCRでデータ化する手順4は、「切り出した文字列をデータ化する」ことです。
OCRで指定した文字列を、文字認識処理します。
OCRは1文字ごとに認識していきますが、AI-OCRの場合は文字列での認識が可能で、その都度学習して自動判定していくため、文字認識率が上がります。
AIで学習しているデータをもとに読み取った文字を自動判別することもできますので、文字の認識率が高まります。
5.変換したデータを最終チェック
OCRでデータ化する手順5は、「変換したデータを最終チェック」することです。
OCRで変換したデータは、必ず目視でチェックします。
先ほどもお伝えしたように、日本語は、ひらがな・カタカナ・漢字が使われており、例えば「一朝一夕」という言葉の漢字の「一」を伸ばす記号の「ー」と捉えたり、漢字の「夕」をカタカナの「タ」見た目が似ている文字の誤変換がないとは言い切れません。
見た目が似ている文字の誤変換がないかを確認し、誤変換があれば修正します。
AI-OCRならばその都度学習して文字認識率を向上させていくことが可能です。
まとめ
社内におけるペーパーレス化を進めるには、OCRを活用する方法があります。
OCRは「Optical Character Recognition」の頭文字を取ったもので、「オー・シー・アール」と読み、直訳すると「光学文字認識」のことを言います。
OCRの技術は、手書きや印刷された文字を、カメラやスキャナといった光学的な手段によって読み込み、文字認識して解読することによって、コンピュータが利用できるデジタルの文字データに変換します。
OCRでできることは主に次の4つです。
- 帳票や文書をデータで一元管理
- データ入力の手間を削減
- 書類の保管スペースの削減
- 検索性の向上
しかし、OCR には欠点があります。
それは日本語で書かれた文字をデータ化するのは難しいということです。
そこで AI と OCR を組み合わせた「AI-OCR」 が注目されるようになりました。
AI-OCRとは、AI(人工知能)技術を取り入れたツールで正しく認識しづらい文字に対して、クセのある筆跡パターンをいくつか読み込ませたり、前後の文字から漢字であると学習させたりすることにより、次に読み込むときは、正しい文字認識で読み込むことができるようにすることです。
AIとOCRの組み合わせることで、文字認識率の向上だけでなく、取引先ごとに異なった請求書や納品書などの帳票をAIが読み取り位置や文字自動抽出できるようになったり、業務システム連動に必要な項目と一致させることで業務効率を大幅に削減するようにどんどん進化を遂げていきます。
最後に、OCRによって手書きや印刷された文字がどのような作業を経てデータ化されるのかという手順をご紹介いたします。
【OCRでデータ化する手順】
- 取り込みたい画像をスキャンする
- 取り込んだ画像データを確認
- 画像データから文字列を指定
- 切り出した文字列をデータ化する
- 変換したデータを最終チェック
ペーパーレス化の推進となるOCRでできることや、どのようにペーパレス化が進んでいくかなどを含めてOCRの手順についておわかりいただけましたでしょうか?
OCRについての理解を深め、是非、社内の業務効率化を進めていきましょう。